君知り初めし

中京圏マンガ喫茶には、今や寝ころべるフラットフロア席(ブース全体がこあがりみたいになっている)が増えてます。茶室めいた空間の居心地が良く、時間が五倍速くらいで流れてゆくのが難点ですかね。一晩いても二千円なので油断をしがちですが、昨日は探求心が湧いたせいで四時まで滞在。YouTube鈴木トオルの曲を聴いた後、化粧品のコマーシャルつながりでフレディ・マーキュリーの声を聞きつけました。それから四時間、私はクイーンの映像を見続けました。ファンでもないのに。フレディは前髪少年だったり、前歯がすきっぱのまま大口あけたチェックのシャツの時代もあり、冬の木立の中で半端に老けた姿で寒そうにしてたかと思いきや、紫の爪のディーバに変身し、後ろ足を蹴たててライブエイドに出演した姿は、髪も髭も脂肪のありかもいさぎよく、声も貫禄じゅうぶんのおっさんの完成形で、見事なものでした。
白のぴったりセパレーツはセックスアピールのためのファッションとされているようですが、冬の寒ーい木立ちの中、鼻を赤くして花の形のサングラスをかけた半端なルックスのあきらかに迷いのあるフレディを見たことにより、最初、奇異に思えた後半のおっさんぶりが爽快に思えました。セクシュアリティなことだけではなく、年輪を経てもあいまいにならないことへの希求を感じました。フレディは四十五でなくなったそうですね。読み放題で、傍らに積んだ雑誌にSMAP福山雅治が・・彼らもそろそろきっちりオジサン化しないかなぁと、自らのオバサン変格化を棚上げにして思う朝。クイーンのことを昨日まで、三曲以外は何も知らなかったのに、今や情感たっぷりのピアノの音がが耳について離れません。デ〜オ!