朽ちてゆく
ような
こころばえを
バケツにあければ
魚の骨
タマネギの皮
疼痛も
くれてしまえ


いつか
底の薄い靴で
住宅街をあるいた
薄暮が来ると
焦燥はなだめられ
ねぐらに帰る


分厚い時間に
へだてられたのに
また
街頭に
もどってきたようだ
あのとき
あなたはいなかったし
今も
あなたはいないし


ゆがんだ嘴が
つつきだしている
粒の眺め