さまざまなことを
ひとつひとつ
転がしているのにも飽きて


永遠の塩で蓋をして
地に埋めて
枝を斜めにさしておく


ばらばらこぼれる老いは
そのうち皮になる
さしのべた腕は
白い花に飾られ
ふかみどりの葉を繁らせる


すべてを忘れてしまうころに
誰かが皮をむいて
房をひらいて
手渡してくれる


胸にしみわたる味は
今日の何かを
呼びもどしてくれるだろうか